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2)沖波の推算
計算領域の沖に与える境界条件は、(財)気象業務支援センターから提供されるGPV(気象数値予報格子点データ)を基に(財)日本気象協会が開発した局地波浪モデル及び近海波浪モデルを基本モデルとして用いて行う。
GPVのデータは、予測時間0〜72時間については、日本の沿岸海域を対象とした波浪GPVの合成波高(うねりと風浪の合成)、卓越周期、卓越波向、風向、及び風速を用い、72〜192時間については日本近海域を対象とした「全球モデルによる1週間先までの予測値」(GSM週間)の内の海面気圧値を用いて行う。表5−4−2に使用するGPVデータの内容をまとめた。また、図5−4−2〜5−4−3に波浪GPV及びGSM週間の格戸点配置及び計算範囲を示す。
O〜72時間の予測では、波浪GPVのデータを基に局地波浪モデルを用い、目的とする予測ポイントに対して1時間毎の波浪予測値を算出する。72〜192時間の予測では、GSM週間データの海面気圧値を基に近海波浪モデルを用い日本沿岸を含む広範囲な海域の波浪予測値を算出し、これを局地波浪モデルに適用して沿岸部のより細かな波浪予測値を3時間毎に算出する。

 

表5−4−2 使用するGPVデータ

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近海波浪モデルは、予測時間72〜192時間について、GSM週間の海面気圧値(24時間間隔)を用いて40?格子点の波浪予測値を算出する。さらに、このデータを前述の局地波浪モデルに適用して沿岸部の波浪予測値を算出する。図5−4−4に近海波浪モデルの格子点配置及び計算領域を示し、図5−4−5に予測計算のフローを示す。
近海波浪モデルでは、海上風はカルドーンの方法に従い、海面上の風と自由大気中の風を境界層理論を用い結合させる解析的手法を用いて推算する。GSM週間の海面気圧値は、格子間隔が約180?(N30°付近)、時間間隔が24時間で配信されるため、波浪計算を行うには粗すぎて不十分である。このため、時間問隔を1時間、

 

 

 

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